表の顔☆裏の顔
........。
頬っぺを押さえながら歩く。
考えてもわからない。
ただの気まぐれ?
そうだよね?
出張で疲れてちょっと息抜きのつもりだったのかな?
考えながら席へ戻る。
ストンッ。
「.........」
無意識に無言で座ってしまった。
「........!?」
視線を感じる?
視線の方へ目をやると......
!?
和哉がこちらを見つめていた。
「か、和哉さん、遅くなってすいません。ちょっとお話ししてたら長くなっちゃって......」
「.......頬っぺ」
「えっ!?」
「.....手で押さえてるだろ?どうした?」
まずい.....
キスされたなんて言えない。
「......な、なんでもないですよ?」
ニコッ?
笑顔が引きつってしまった。
「.....なんでもないわけねぇだろ?それとも言えない事か?」
ひぇぇぇ!?
睨まれた.....
こ、怖い。
「あ、あの〜....ちょっと頬っぺにキスされちゃって....あっ!でも軽くです!一瞬だったんで!....ご、ごめんなさい」
な、なんで正直に話してるの!?
私バカだ。
彼氏でもないのに謝っちゃったし。
和哉さんも謝られても困るよね。
「.......」
「あの〜謝られても困りますよね?すいません。」
「.......」
また気まずい。
怒ってる?
また怒らせちゃったかな?
はぁ〜。
「....おい。......手、どけろ」
「えっ?手?」
グイッ。
えっ?
と思った瞬間手を掴まれた。
チュッ。
えっ?
...........えぇぇぇ!?
キスされた.....?
「.....消毒」
えっ?
「....消....毒....?」
「俺以外の男に触れられてるんじゃねーよ!キスなんてもってのほかだ!」
ドキンッ。
胸がドキドキする。
和哉さんも顔が真っ赤だ。
う、嬉しい。
素直に嬉しいよ。
「わかりました。ありがとう」
ニコッ。
自然と笑顔になっちゃう。
和哉さんといる空間ぎ落ち着く。
口数は少ないけど、きっと素直じゃないだけ。
無愛想でも優しい。
優しさが伝わってくる。
こんなホッとする時間が続けばいい.....