表の顔☆裏の顔

........。

頬っぺを押さえながら歩く。

考えてもわからない。
ただの気まぐれ?
そうだよね?
出張で疲れてちょっと息抜きのつもりだったのかな?

考えながら席へ戻る。


ストンッ。

「.........」

無意識に無言で座ってしまった。

「........!?」

視線を感じる?

視線の方へ目をやると......

!?

和哉がこちらを見つめていた。

「か、和哉さん、遅くなってすいません。ちょっとお話ししてたら長くなっちゃって......」

「.......頬っぺ」

「えっ!?」

「.....手で押さえてるだろ?どうした?」

まずい.....
キスされたなんて言えない。

「......な、なんでもないですよ?」

ニコッ?
笑顔が引きつってしまった。

「.....なんでもないわけねぇだろ?それとも言えない事か?」

ひぇぇぇ!?
睨まれた.....
こ、怖い。

「あ、あの〜....ちょっと頬っぺにキスされちゃって....あっ!でも軽くです!一瞬だったんで!....ご、ごめんなさい」

な、なんで正直に話してるの!?
私バカだ。
彼氏でもないのに謝っちゃったし。
和哉さんも謝られても困るよね。

「.......」

「あの〜謝られても困りますよね?すいません。」

「.......」

また気まずい。
怒ってる?
また怒らせちゃったかな?

はぁ〜。

「....おい。......手、どけろ」

「えっ?手?」

グイッ。

えっ?
と思った瞬間手を掴まれた。


チュッ。


えっ?


...........えぇぇぇ!?


キスされた.....?


「.....消毒」


えっ?


「....消....毒....?」

「俺以外の男に触れられてるんじゃねーよ!キスなんてもってのほかだ!」


ドキンッ。

胸がドキドキする。
和哉さんも顔が真っ赤だ。

う、嬉しい。
素直に嬉しいよ。


「わかりました。ありがとう」

ニコッ。

自然と笑顔になっちゃう。
和哉さんといる空間ぎ落ち着く。
口数は少ないけど、きっと素直じゃないだけ。
無愛想でも優しい。
優しさが伝わってくる。
こんなホッとする時間が続けばいい.....




< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop