表の顔☆裏の顔
「......ちゃん。春ちゃん!」
「あ、はい!」
やだ.....
ボーっとしてた。
せっかく近藤来てくれてるのに。
しっかりしなきゃ!
「春ちゃんどうしたの?珍しいね?なんか考え事?」
「えっ?いや、ごめんなさい。せっかく近藤さん来てくれてるのに....」
なんかまともに目見れない。
こないだキスされたからやっぱり意識しちゃう。
「もしかしてこないだのキス気にしてる?」
「えっ?」
顔に出てたかなぁ。
「気まずいですって顔に書いてあるよ」
「そ、そんなことは.....」
やっぱり私ってすぐに顔に出ちゃうんだ。
気を付けなきゃ。
「じゃあ逆に僕の事意識してくれてる?前も言ったよね?僕も男だって」
えっ?
どういう意味?
「春ちゃんには直球じゃないと伝わらないみたいだね。こないだのキスは春ちゃんだからしたんだよ。春ちゃんにしたかったんだ」
そ、それって.....?
「僕は春ちゃんの事が好きだよ。一人の男としてね。じゃなかったらプレゼントなんてしないよ」
ネックレスを触りながら目を見つめてくる。
近藤さんが私を好き?
好きだからこのネックレスも私にくれたの?
「.......」
「はぁ〜。やっぱり気付いてなかったみたいだね。僕本気だから考えといてね。もう少し一緒にいたいけど明日からまた出張なんだ。だから今日は帰るよ」
「.....はい」
ど、ど、ど、どうしよう!?
考えてって言われたけど.....
とりあえずお見送りに出よう。
「「「いらっしゃいませ」」」
歩きながら扉の方へ顔を向ける。
ドキンッ。
和哉さんだ。
姿が見えただけでドキドキする。
どうしよう。
グイッ。
えっ?
近藤さんに腕を掴まれた。
なに?
「春ちゃん。僕も嫉妬くらいするんだよ。そんな目で他の男を見ないでほしいな。さっきの事ちゃんと考えておいて」
そう告げると近藤は帰って行った。