【短】真夏のmystery kiss*+.
「え、嘘?」
「嘘なら、幾分気楽なことかあ……!」
今までのことを話終わると、
紫は信じられない!とでもいうような顔をしている。
「私も最初は寝ぼけてて、夢かな?とか思ってたんだよ?
でも紫が誰か出て行ったって言うから、
多分、その……その前にその人が……」
「キスしたのね」
「わー!!そんなはっきり言わないでよ!!」
自分でも、誰かに、キ、キスされたかもなんて言えないのに!
なんて内心ドキドキで打ち明けると
紫の反応は意外なことにすごく落ち着いていて。
「紫さん……?紫さんはびっくりされないんですか?」
探り探り聞いてみると
いつもの可愛らしい顔で
「うーん、だって
夏愛がここにいるって知ってて、
寝てる間にキスとかしちゃうような
夏愛を好きな人っていったら、
『あの子』しか思い浮かばないもん」
なんて。
え、『あの子』って誰っすか?