【短】真夏のmystery kiss*+.
私は頭上のリョウの不思議そうな表情を見てはっとする。
そうだ!
すぐ帰ってないから今私と一緒にいるんだ!!
「えーっと、それはどういうこと??」
首を傾けて「うーん」とうなる彼に
慌てて訂正。
「間違えた!!えっと、職員室、呼ばれたじゃんリョウ」
「うん」
「その後、さっき私に会うまで、何してたの?」
そう、これこれ!
これを聞けばいいんだ!
リョウはその質問を聞いて、
腕を組むと、
「えーっと……」
と考え始めたようだ。
「職員室呼ばれたら、
髪のこととか成績のことで芝ちゃん先生に怒られてー、
その後何故かそのまま芝ちゃんの手伝いさせられて、
本当は俺今日ナツと帰りたかったのに、
時間かかったから、もういないかなーと思って
普通に帰ってたらナツに会えた!」
言い終わると嬉しそうににこにことしていて、
内容も別に変なところないし、
そもそも私にその……き、キスした、とか
そういうの一切言わなかったもんね。
……やっぱり、リョウじゃないんじゃん。