【短】真夏のmystery kiss*+.



手に握っていたスマホのバイブで目が覚めると

そこで初めて私は自分が寝ていたことに気がついた。


おぼろげな視界のまま目をこすって、

スマホのなった原因を探ると

紫から【質問終わった!もうそっち行くよー】というメッセージが入っていた。


ああ、そうか、じゃあもう起きなくちゃ。

そう思ったのと私の他には誰もいないだろう教室のドアがあいたのは同時で、

とっさにまた机にうつ伏せ、寝たふりをしてしまった。

タイミング的にもまだ紫ではないだろうし

この教室は普段1年生が使っているから知らない人だったら気まずいと思って

咄嗟にとった行動だった。



なんとなく緊張してきて、

手に汗を握っているとなぜかこっちへ近づいて来る足音。


私のいる机の真横に風を感じたかと思うと、


目をつむっているせいで少しだけ窓からの日光が差し込んでいた視界が

ふっと暗くなり、


頬に柔らかい感触が。


びっくりして固まっていると、

また足音が聞こえて教室のドアの開くガラッという音が。





……え、私、

今誰に何された?――




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