【短】真夏のmystery kiss*+.
……実はね、そう。
中学まではまあまあ成績もあったんだけど。
「この子バイトばっかして家庭学習の時間全然とらないんですよ」
未だに緊張してなのか大崎君に対して敬語の紫は
ちらりと私を見た。
「そうなのか……」
びっくりしてる彼を見て、
私は恥ずかしいんだか、悲しいんだか。
中学の時は、
私もまあまあちゃんとしっかりしていたのに、
今のこんな成績を
大崎くんに知られたことがなんだかショックだよ。
「成績よりバイト!って価値観みたいで……」
いくらこの時間からここにいる理由を誤魔化すためとはいえ、
紫にボロクソ言われて、
私の精神はもうずたずた。
「と、とにかく、
これ以上ひどくならないように教わってるの!!」
私はこれ以上何か言われないためにも、
大崎くんには悪いけど、
今頑張ってるので!というようなオーラを出した。
「ああ、頑張れ。
もし何なら俺も協力するよ。
では、また」
その空気を読み取ってくれたのか、
大崎くんはそう言って
ドアを閉め、行ってしまった。