【短】真夏のmystery kiss*+.
「『もしかして』って?」
言葉の意味がよくわからなくて聞くと、
「いや、でも昨日講習終わった後に、
あの講習の教室、生徒会室から近くて
大崎くんが入っていくのが見えたし……」
なんて、私無視で考え込む紫。
「紫!?どういう意味?」
はっきり話しかけると、
くりんとした大きな瞳で
キッと睨んできたかと思えば、
「昨日のキスされた犯人の話!
大崎くんもありかなって!!」
「え、大崎くん?」
私は紫の推測が有り得なさ過ぎて
思わず笑ってしまった。
「なんで笑うの!?
だって、夏愛と本山くんの仲に嫉妬してたんだよ?」
なんて、
だからそんなの、あの大崎くんからは考えられないよ。
「嫉妬とかじゃないよ、
多分単純に気になったんだと思う。
大崎くんって気になったらすぐ質問するタイプだから」
私がそういうと
紫は不思議そうに
「やけに詳しいんだよなー、夏愛。
大崎くんと夏愛って、ただ中学が同じだっただけじゃないでしょ?」