【短】真夏のmystery kiss*+.
真夏のmystery kiss
#kissをしたのは……?
――「あっづー!有り得ない!!」
「夏愛―なつめ―、わかったからもう暑いって言わないでよ。
こっちまで余計暑くなる」
高2の夏休みが始まって、
折り返しの時期にきていた。
「なんで夏休みのど真ん中に補習なわけ?
どうせなら休み入ってすぐにしてよって感じ。
何、このあげられて落とされる感じ」
学校の最寄り駅から高校まで、
駅で偶然会った紫と歩きながら
私は不満を爆発させていた。
「だから、それが狙いでしょ。
補習に呼ばれるような生徒が
真面目に夏休み入って勉強するわけないじゃん。
でも休みの真ん中に補習が入ることによって、
休みが始まってからも浮かれないでしょ」
夏でも関係なしな彼女の可愛らしい顔も
今日は少しだけ眉間にシワが出来ていた。
「だからってこんな暑さ真っ只中に
やらなくてもいいじゃんー」
紫につられて顔も歪むと
後ろからそんな事関係なしの明るい声が聞こえた。
「ナツ!おはよっ!」
「あー、リョウ」