【短】真夏のmystery kiss*+.
そろそろ解散かな、なんて思っていると、
また誰かが登校してきたみたいで
教室のドアが開く。
「あ……」
思わず漏れた声は緊張を含み、
心臓が高鳴った。
昨日ぶりのリョウの姿。
「……よし、来たか」
なぜか目の前の紫はすぐに立ち上がり、
今来たばかりのリョウに声をかけた。
ドアのほうで少し話した後、
さっと2人廊下に行ってしまった。
もちろん、私は最初から何を話していたか聞こえていない。
何話してるんだろう……。
気になってドアをずっと見ていると、
しばらくして入ってきたのはリョウだけ。
しかも目が合ってしまって、
リョウはこっちに向かってくる。
「お、おはよう!」
昨日のあの別れ際振りで気まずくて
声がつい詰まった。