【短】真夏のmystery kiss*+.
「ナツ、おはよう!」
リョウはいつものような笑顔を向けた。
なんだか、昨日のあれは、嘘のように。
「紫は……?」
教室を出て行ったきり入ってこない紫の行方を聞くと
「もう講習の教室に行ったよー」
リョウにそう言われて
時計を見ると、確かに講習開始10分前だ。
「そっか……」
それがわかったところで、
私は気になっていた事を聞く。
「紫と何話してたの?」
そう聞いた途端に急に曇りだすリョウの表情。
「んー?真一のこと聞かれたよ」
「大崎くんのこと?」
なんでそんなことをリョウに……?
私がそう思ったのを読み取ったようで
リョウは
「紫ちゃん真一のこと怪しんでるんじゃない?」
なんて。
『怪しんでる』……?
もしかして紫、
大崎くんが昨日の犯人だって本当に思ってるの??