【短】真夏のmystery kiss*+.
「なんかナツ、顔怖いぞー?」
リョウに顔を覗き込まれてはっとする。
っていうか、近いし!!
「べ、別になんでもないよ!!」
勢いで誤魔化すと、
顔を遠ざけようと座っていた椅子を引いた。
だけど、リョウはさらに近づけてきて。
「顔赤くなってるし。……可愛い」
クスッと笑った後に体の向きを変え、
昨日座っていた席に行ってしまった。
一瞬見えた小悪魔のような表情。
やっぱり、昨日のことは嘘じゃなかったんだ。
紫が大崎くんを疑ってること、
昨日の犯人が大崎くんである可能性、
リョウの態度、
そんなことを考えては頭がぐるぐるして
補習が始まっても全く集中できなかった。
あっという間に今日の補習も終わってしまい、
その瞬間に紫からメッセージが。
【こっちの教室、りょうたろう君と一緒に来てねっ!】