【短】真夏のmystery kiss*+.
「大崎くん!なんか2人がごめんね!
2人とも文化祭が楽しみなんだよ!――ねっ!?」
強引に話をつけ、
2人に睨みをきかせた。
すると2人とも観念したのか、
黙ってうなずく。
「そうか。それは頑張りがいがあるよ」
そう言って微笑んだ彼は純粋そのものだ。
私の言葉も、
それを肯定した紫とリョウの無言のうなずきも
疑いもなく信じてくれた。
本当は嘘なのが実に心苦しい。
同じくさっきまでは勢いのあった2人も
大崎くんが犯人である可能性の無さを確認して、
そして彼の誠実さを目の前にして
すっかり反省したみたい。
「大崎くん、この後も生徒会かな?」
「ああ。
君達や生徒全員に楽しんでもらえるものにできるよう頑張るよ」
そう話しながら、4人で教室を出る。
そのまま階段に向かって歩いていく。
生徒会室は階段に着く前にあるし、
大崎くんも一緒に。