【短】真夏のmystery kiss*+.



生徒会室の前に着いて

大崎くんは足を止めた。


「じゃあ。津浦さんは、また明日」

講習も補習も3日間、明日で最終日。


「うん、また明日ね!今日はごめんね!」

「真一、しつこくしてごめん!」


2人とも素直に謝っていて、

それを見た私はほっとした。


「気にしてない。

何より楽しみにしてもらえて嬉しいから」


大崎くんがかすかに微笑んだのを見て、

紫とリョウは彼に手を振って

階段へと進み歩き出した。


私も続いて行こうとして、でも、

「大崎くん!」

彼と向かい合う。


「ん?」


「さっきはごめんね」

私が謝ると

「矢上さんは何も言ってなかったけどな」

なんて言われて苦笑いする。


でも、嘘、ついちゃったから。



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