【短】真夏のmystery kiss*+.
「完全に『学校一緒の話せる人』って感じだよ?」
暑さで汗がこめかみから滴ったのを感じた。
学校を出ると、
木陰がしばらく続き少しは涼しい。
私たちはリョウの提案で
学校近くのコンビニでアイスを買って
駅まで向かいながら食べる。
「そもそもなんでバイト先の常連だからって
仲良くなんてなったの?」
紫は選んだチューブ型のアイスを口に含みながら
私に聞いた。
「本山が前に、
今はB組の野口ちゃんと付き合ってた時に
私の店に来たんだよねー。
私と紫去年野口ちゃんとクラス一緒だったじゃん。
それで彼女の彼氏ってことで本山を知って……」
――そう、あれは1年の秋ぐらいだったかな。
クラスでもグループは違うものの
そこそこ話していた野口ちゃんというクラスメイトと
当時その子の彼氏だった本山が
私のバイト先の店に来た。
その時、野口ちゃんを通して、
顔見知りになってからは、
うちのクラスに彼女目当てで来ていた本山とは
ただお辞儀だけする仲に。
しばらくそんな関係だったけど、ある日……。