【短】真夏のmystery kiss*+.
「あ、えっと……
本音を言うと、本山と付き合うとか、
そういうの想像出来なくて。
ずっと同じ学校の話して楽しい人って今までは思ってて。
だから――」
「うん、わかった」
私が言葉をあやふやにして、
はっきりしない自分の気持ちを伝えると、
本山は少し落ち着いたように優しくそう言った。
「俺もしかしたらいけるかもって、
全然矢上のことわかってなかった。
……うん、今日は気持ち伝えられてよかったって思うよ。
答えが出せないんなら少しは俺のこと、
恋愛対象としても考えてみて」
恋愛対象として考える……。
「俺が頭撫でたって言った時、
気持ち悪いって思わなかったんだとしたら、
俺にも可能性あるかなとか思ったりして」
「思わなかった、です」
「うん、なら今はそれでいいや」
店に来たときよりも
軽やかそうに見える彼の表情を見て、
私はほっとする。
やっぱりいつもさわやかに笑ってる本山がいいな。