狂愛
教室をキョロキョロ見渡す先生を見かね、彼女は不思議そうに問いかけた。
彼女のその一言で、クラスに緊張がはしった。
彼も彼のボディーガード達も驚きの表情を浮かべる。
「いや~それは。」
説明に戸惑う担任教員。失敬な言葉を遣わぬよう、考え込む。
「あ!さっきの!」
彼女は彼の顔を見て驚く。
教室に入った時は、彼の存在に気づいていなかったのだ。
ボディーガードが一人、前に一歩でる。
「高浜様に向かって“さっきの”扱い。無礼にも程があります。上に報告しなくては。」
ぼそっと一言、だが彼女の耳には届いていない。