狂愛
彼と彼女は毎日喋るようになり、学校中に噂が広まった。
彼と彼女の仲を知ってか、まわりの生徒たちも彼に話しかけるようになったが、彼は彼女以外の人とは言葉を交わすことはなかった。
小学校を卒業し、彼は彼女と同じ中学に入学した。彼の両親や、研究チームの人間は、入学に猛反発していたが、彼の強い意見で入学は決まった。だが、平日の週に三日は研究所での学習となった。
入学早々、同じクラスで二人だけの後列の隣の席。
彼の権力で学校側に、無理矢理そうさせていた。
彼女はその事に感ずいていたが、何もいわなかった。
「何で軒くんは、ここの中学校に入ったの?」
入学早々、クラスの朝礼の時間に問いかける。
「別に。近いから。」
相変わらず素っ気ないが、返答はする。彼女は「そっか。」と、少し悲しげな表情を浮かべた。