狂愛

体育祭、球技大会、文化祭ー。
彼は学校の行事には全て参加した。

勉強は勿論の事、スポーツは抜群にでき、中学でも注目の的となった。
ボディーガードは学校内では付かなくなり、女子からの彼へのアタックは日常茶飯に見られた。

だが、彼は相変わらず彼女以外の人間と関わろうとはしなかった。

「軒くんは人見知りなの?」

ある時彼女は彼に尋ねる。

「なんで?」

「誰かと喋ってるとこ見たことないから…。」

「悪い?」

「え。」

「俺、無駄に人間関係作りたくないだよ。邪魔だし、めんどくせぇし。」

「………。」

彼女は黙り込む。
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