狂愛
「違うってなんだよ!俺だって一緒だよ!!そんくらいわかんだろっ……」
彼は彼女の前にいき、しゃがんだまま顔を覗きこむ。
「でも、仕方ねぇんだよ……ほんと…ほんとごめんな。」
そう言って彼は、下を向いたままの彼女の頭に自分のおでこをくっつける。
「真央、お願いがあんだけど…」
震える彼女にそっと声をかける。
消えてなくなりそうな声。
張り裂けてしまいそうな気持ちを押さえながら、彼は続ける。
「卒業したら、俺に関わる全ての記憶を真央の頭の中から消してほしい。」