狂愛

「え……どうゆう意味……」

彼女は恐る恐る顔をあげた。
彼は彼女から少し離れ、鞄の中から、黒くて小型無線機のような、それでいて、先が鋭く尖り、最新の小型パネルが付いている機械のようなものを取り出した。

「なにそれ。。」

「これは俺が開発した記憶除去装置。これには俺のデータの情報を記憶させてある。パネルの起動のところを押して、真央の頭に向ければ、真央の記憶から俺が消えるようになってる。この装置は起動して記憶を除去するデータを脳に送りこむと、空気中に消えてなくなるようになってるから。」

「やだよ。絶対そんなことしない!」

「俺もさ……真央の記憶消す。」

「なんで…。。酷いよ。。」

彼女の頬には大粒の涙がつたる。
彼は息をのみこむ。

「ごめんな。」

彼は、記憶除去装置を鞄の中にしまい、鞄ごと彼女の脇に置いた。

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