狂愛

それから月日は流れ、夏休みも終わり、受験シーズンが到来する。
彼女は、進路を地元の大学一本に絞り、勉強に明け暮れる日々。
彼を避けるかのように、授業中も熱心に勉強に励んでいた。
また、彼もあまり学校へ来なくなり、研究所で過ごすことが増えていった。

結局、屋上へ行った日、彼女は記憶除去装置を持ち帰った。
あの後、彼が強引に鞄ごと彼女に持たせ、彼女はそれを家に持ち帰ったのだ。
その日を界に、お互い口数も減っていった。互いで避けあい、別々の道へと進む準備を始めていた。今までの二人の関係が嘘だったかのように、二人の距離は一気に開いた。
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