狂愛

「うるせーな。声をあらげるな。俺の質問に答えたなら、この扉を開けてやる。さもなくば、お前らはその場所で死ぬことになる。」

元ボディーガードの男を操り、彼の声で男たちに向かって喋りだす。
元ボディーガードの男の体は、彼の操り人形のように改造していた。

「軒様…なのか?こんなことまで、できるのか…?」

男たちは三人で顔を合わせる。

「俺が察するに、今そこに真央がいる。違うか?」

彼は、元ボディーガードの男の体を操ることはできるが、思考を読みとるのは短時間ではできなかった。脳の情報は複雑で、記憶を除去することは簡単にできても、取り出すには長い時間がかかる。彼は扉の向こうにいるが、扉が分厚くできているため、声が通らない。
そのため、この元ボディーガードの男を使った次第である。

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