狂愛

「お前の背中にいるのは真央じゃない。お前に真央は殺させない。」

男たちは慌てて彼女の姿を確認する。
だが、彼女の姿は確かにある。
"はったり…なのか?"
男は背中から彼女を下ろしてみる。
彼女を床に横たわせる。
体が軽くなる感覚がある。

「なんだよ…そんな訳ねぇよな。。」

男はほっとした口調でぼやく。
だが、彼が言ったことは事実だった。
連れてきた人物が"神崎真央"と知った時点で、人間センサーで男を判別させ、脳に特殊のレーザーを当てた。
センサーの細工は、彼は前もって今日、行った仕掛けだった。
特殊のレーザーを脳に当てると、人間の頭脳を支配できるようになる。
つまり、こうだ。
彼は男たちに向けて、人間センサーを起動させた後、難解なセキュリティも難なく、扉のロックを解除させ開ける。この間、男たちは現実のような幻覚をみていた。彼は男の背中から、ひどく痩せ細った気絶したままの彼女の体を両手で抱きかかえる。
< 51 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop