大切な君に
−ドキン−




ど、どうしよう…





何を話せばいいんだろう…





「余裕のお昼休みかぁ?いいな、もともと頭のイイヤツは…」





「………。」





「それとも、おじけづいて俺に刃向かうのは諦めたかぁ?ハハハっ、どっちでもいいけどな。」





そう言って悪魔はあたしの手から教科書を奪ってスタスタと歩いて行った。





−ドキン−




「待って!!」




自分でも驚いた。それでも何か、言わなきゃいけないような気がした。





「あたし、おじけ付いてなんかいないから!!」





悪魔は前を向いたまま、こっちを向こうとしない。


それに余計、腹が立った。



「だからって、あんたに体を売る気も無い!!あたしは1位取る!正々堂々と戦うもん!!」






すると、悪魔がゆっくり振り返った。




その顔は………



−ドキン−





あたしの心を揺らす───




−ドキン−




「はははっ、気の強い女だ。」




−ドキン−





その少年のような笑みにまた…




−ドキン−






鼓動が早くなっていく──










お願い……どうか、おさまって。



あたしの心臓───
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