大切な君に
「クスクス。」
「やだぁ。(笑)」


どこからか知らないが、小さな笑い声や、ひそひそ話が聞こえてくる。


もぅ、本当にやだ(泣)

やっと入学式が終わり、新しい教室へ向かう。


でもその間、

「あ、声が裏返った子じゃん。」

とか

「まじウケる!!つーか恥ずくね?」

なんて声が聞こえて、お陰様で顔を真っ赤にしながら教室へ移動したワケだけど…。

はぁ、あたし、もしかしたら友達できないかも。

と思う今日この頃であった。(笑)


[1年1組]

これがあたしのクラス。

すると、少し太り気味の先生が入ってきた。

「担任の広居です。えーとじゃあこれから……」

…………。



…………。


先生の長い話も終わり、やっと休み時間になる。

「ふぅ〜。」

深呼吸をして、周りを見てみると、みんな友達づくりをしていた。


ああ〜、あたしも声が裏返なければ……(悲)


そう思い、一人机に突っ伏していると、

誰かに肩を叩かれたような気がして上を見上げると、そこにはショートヘアーの格好いい感じの女の子が立っていた。


「あの〜。」


「…?」


「突然だけど、メアド交換しない?あと、次、移動教室だから一緒に行こうよ。」


えっ……、まじ!?


「えっ、友達になろうってこと?」


「うん。ダメ…かな?」


「あっ、違う!!そうじゃなくて…あたしでいいの?」


「どういうこと?」


女の子が不思議そうな顔で聞いてくる。


「だってあたし、声が裏返ったって周りに笑われてるし、一緒にいたら[声が裏返ったやつの友達]とか、変なあだ名付けれると思うよ?」


「あははははっ!!そんなにあたしと友達になるの抵抗ある?(笑)」


女の子は笑いながら言った。


「違うよ!!ただ、あたしでいいのかなと思って、」

言いかけた時、

「分かってる(笑)。あんたが心配してくれてんのも。ちょっと苛めたかっただけ(笑)あたしあんたの事気に入った!!友達になろ。」


「うんっ!」


なんだか楽しい学校生活が送れそうな気がする♪
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