大切な君に
何だろ?






和希の腕に、グチュグチュになった傷のようなものが、チラッと見えた。






「和希、その腕…」





「腕?」





「うん。その傷どうしたの?」









その時、一瞬だけだけど…和希の顔が曇ったような気がした。






でも、すぐにいつもの優しい顔に戻って…









「あ、コレ?この前の空手の練習で、ちょっとぶつけちゃって。」







−ドクン−







あの曇った顔が気になったけど、和希の言葉を……信じよう。








きっと話してくれる日がくるよね?







待ってるよ──
< 30 / 94 >

この作品をシェア

pagetop