大切な君に
「沙耶っ…ごめ…ん…ック…あたし…のせ…ぃ…う゛わ゛ああ!!」








和希があたしに抱きついた腕が、震えてた…。









こんなにボロボロで……






それなのに……









「ゴメンね……あたし、和希のこと守ってあげられなかった。」










「あのっ!!」






すると、あたしたちの会話を静かに聞いていた警官が問いかけてきた。










「あなた……守野沙耶さんかしら?」










「……?はい。そうですけど。」












「あなたにも、お話聞いていいかしら。」








「別にいいですよ。あたしにできることがあれば。でも、一つだけいいですか?」









「ええ。なあに?」









「話聞くのは二人一緒じゃあダメですか?」











「どうして?」









「今は、和希のそばにいてあげたいんです。」











そして、警官は震える和希を見て言った。









「分かったわ。そばにいてあげなさい。」
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