大切な君に
「ゴメン。心配かけたくなくて…。」




「あたしこそ、ごめんね。」







「和希あたし、次の授業ちょっと休んでいいかな…?
一人になりたい。」







その時、一瞬だけまた和希の香りが強張った。







今回は前とは違う……、何かに怯えるような、そんな表情。








「和希……?
どうしたの?」







あたしは和希を強く見つめた。









「えっ?なんでもないよ〜。
ゆっくり休まないとダメだよ?
一緒に保健室行こうか?」








あたしは、騙されないよ?
和希……










「隠さないで!!
なにかあったんでしょ?」










和希は少し下を向いて、考えてからあたしになにか言おうとした。







その時、









「沙耶、和希はあたしたちが守るよ。」






「うん。あたしたちに任せて。」








2人の女の子があたしに話しかけてきた。






その子たちは、あたしの中学のときの友だちだった。







「あや…みき…和希をよろしくね。」







この子たちは、あまり目立ちたがらない子だけど、スゴく優しいあたしの親友。






あやが、和希の手を握る。





そして、






「あたしたちが守るから。」







「和希、大丈夫だよ。」








和希はその子たちにもたれかかる。







「ありがとう。」








あたしは、その場からゆっくり離れて保健室へ向かった。
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