大切な君に
悪魔は泣いてた。





その泣き顔が、たまらなく愛しくて、体が勝手に動いてしまった。






「沙耶ちゃんっ!?」






由紀先生の声なんて全然、耳に入らなかった。








あたしは、悪魔のことでいっぱいだったから。





あたしは、悪魔を抱き締めた。







「守野……?
どうしてここに……」








由紀先生が、気を効かせているのか、保健室から出て行った。
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