大切な君に
そのあと、あたしたちはイルカのショーを見たり、ラッコに餌あげ体験をしたりした。





「ふぅ〜、今日は楽しいことばっかりだったぁ〜。」






「たしかに。色んなことやったなぁ〜。」






時計を見ると、もう閉館の時間だった。







「そろそろ、帰るか。」







「うん、そうだね。」






帰り道、真琴が何気なく言った。





「俺、沙耶に出会った時、成績のことで脅したんだよな。」







「うん。まさか、付き合うことになるなんて思ってなかったけど。」






「だよな〜。俺も。」





気がつけば、あたしの家の前。






「今日はありがとね。スゴく楽しかった。」







「おう。それじゃ、帰ったらメールする。」





「うん。それじゃあね。」





「じゃあな。」






真琴はあたしの大好きな笑顔を向けて、何度も振り返って帰って行った。
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