大切な君に
「ただいまぁ〜。」




「おかえり〜。」




「沙耶っ。いくら友達との映画でも、少し遅いわよ。」





お母さんが心配した顔でこちらに駆けてきた。




友達と映画……?



するとお姉ちゃんがやってきて、あたしにウィンクをした。





「もうっ!沙耶っ!聞いてるのっ?」





「あっ……えっと…うん。」







もしかしてお姉ちゃんが……



「今度からは早く帰るよ。」





「まったくっ。まだ中学1年生なのよ?」




「わかってる。もう心配かけないから、ね?」





あたしはお姉ちゃんを見て、ウィンクをした。





「ちゃんとするのよ?」




「うんっ。」
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