真逆な2人
昇side
今日の夕方理事長室で昴と麗奈のことを話していた。最近明るくなってきたこと。
瞳の闇が晴れてきたこと。全部龍希の皆のおかけだって。
そんなとき俺の携帯がなった。
昴「だれ?」
昇「噂をしてたら麗奈からから笑」
昇「もしもし?」
「あ、るーくん?今日話したいことがあるの。仕事が終わったら私ん家にすーくんと来てくれない?」
昇「あぁ。わかった。あとで行くな。」
「うん。ありがと。んじゃまた。」
昇「あぁ。」
たったこれだけの会話。でも俺にはわかる。麗奈がまた何かを抱えてる事。1人で泣いてる事。
昇「あとで麗奈の家にきてだとよ。また何かあったみてぇだ。」
昴「せっかく元気になってきたのにな。次は何があったんだよ。」
昇「わっかんね。まぁあとで行ってみるしかねぇな。」
昴「そーだな。」
それから俺らは仕事を急いで片付け2人で麗奈の家に向かった。
見なれた家の前に立ち何回目かわからないチャイムを押す。すると中から目を赤く腫らした麗奈が出てきた。
麗「急にごめんね。入って。」
昇、昴「あぁ。」
そして俺らは白のカーペットの上に腰を下ろした。そしてその正面に麗奈がすわった。
昇「んで、話って??」
麗「あのね....私龍希の皆とばいばいする。」
昇「は?なんで?」
麗「....毒龍が動き出したみたい。」
昴「毒龍って....」
昇「でもあいつら刑務所にいるんじゃねぇの?」
麗「私もそー思ってた。だから私毒龍なんてすっかり忘れてた。でも毒龍は誰かを身代わりにして幹部以上が刑務所から出てきたんだって。それで勢力をあげてNO.4にまできてるって。」
昇「まじかよ。でもなんで麗奈がみんなと別れる必要があるんだ?毒龍には龍希は負けないと思うぜ?もしもの時があれば初代の俺らだってでてくし。」
麗「毒龍にまた誰かが殺されちゃうかもしれない。実際龍希の下っぱが1人軽症だけどやられてるみたいだし。....私、今日思い出したことがあるの。
お父さんを刺した男の言っていた言葉を。
『次はお前を殺す』そう言ってあの人は警察に連れてかれた。もしあの言葉が本当なら龍希の下っぱを狙った辻褄が合う。これは私にだけわかる宣戦布告だよ。」
昇「麗奈........。もぅ自分の中に閉じこもるのはやめろよ。龍希はそんな弱くねぇ。麗奈を救ってくれるに決まってんだろ。」
昴「それ龍希のやつらはしってるんのか?」
麗「ぅぅん。」
昴「それなら皆に話してみたら?あいつらならなんとかしてくれる。もちろん俺らだって協力する。」
麗「ありがと。でも大丈夫。もぅこれ以上誰にも傷ついてほしくない。いくらみんなが強くても絶対に怪我しないなんて保障できない。もしかしたら死んじゃうかもしれない。....私は誰も失いたくない。」
昇「はぁー。でもそれで麗奈はいーの?」
麗「うん。もぅ決めたから。今日2人を呼んだのはあくまでも報告だから。」
それから私はそれでいいのかと聞かれたが答えを曲げることはなかった。
皆を守る方法はこれしかないから。
だから私が皆から離れるしかない。
昴「はぁ、でも絶対に無理すんな。限界になったら誰でもいいから頼れ。いいな。」
麗「ありがとね。」
昇「おし、飯でも食うか!」
麗「うん!」
こうして私たちは3人で夜ご飯を食べた。
この日の夜私はなかなか眠りにつくことはできなかった。明日皆に話そう。全部は無理だけど。そして皆が私を嫌いになるように突き放そう。皆私のくだらない2回目の嘘を許してください。