真逆な2人
迫り来る恐怖

目を覚ますと真っ白な天井と視界の端に映る見慣れた人の顔があった。

麗「るーくん?…すーくん?」

昇、昴「あぁ」

麗「あの、あたし…」

昇「教室で倒れてたんだよ。それを龍希の皆が見つけてあつくの親父さんが営んでる病院に運ばれてきたってわけ。」

昴「栄養失調だとよ。麗奈はしばらく入院だそうだ。だから荷物を届けに来た。服とか色々こん中にしまっとくな。」


私本当に2人には迷惑かっけぱなしだな。
本当はすごく忙しいはずなのに。私は2人の厄介ものだな。


麗「るーくん、すーくん。迷惑ばかりかけてごめんなさい。私やっぱり無理だよ。家族を殺した毒龍がすぐ傍まで迫っているなんてそんな現実受け入れられないよ。」

昇「麗奈辛いのはわかるが向き合わなくちゃ何も変わらないんじゃないか?」

わかってるよ。でも…でも…。


麗奈「なんで私を置いて逝ったのょ。私ばっかこんな思い…。もぅほんといやっ!!」

昇、昴「れ、な?」

るーくんとすーくんが驚いてる。
そりゃそぅだよね。家族のことで怒ったことなんてなかったもんね。でもねここまで来ると悲しみなんか通り越して怒りに変わっちゃうんだよ。私を置いて逝ったお父さんとお母さんに、


昇「麗奈。お父さんとお母さんは悪くないだろ??悪いのは全部…」

麗「わかってるよ!そんなの!るーくんに言われなくたって自分が一番わかってるんだよ!でも私はたくさん我慢したんだよ。あの日お母さんが私を庇わないでいてくれたら…」

昴「もしお母さんが麗奈を庇っていなかったとしたらきっと麗奈は死んでいた。そしたら俺らにも、龍希の皆にも出会えなかったんだぞ?それでも麗奈は両親と一緒に逝きたかったって思うか?」

麗「そ、れは。」

昴「だろ?なら両親を恨むのはやめろ。」

麗「ぅん。ごめんなさい。私ちゃんと向き合うよ。でもね龍希の皆を巻き込みたくないの。だからお願い。私を1人で毒龍にあわせて。」

昇「それは無理だ。」

麗「龍希の皆を巻き込んで抗争して勝ったって私の気持ちは晴れるわけじゃない。そりゃ復讐心がないってわけじゃない。でも私の気持ちが晴れるのは真実を知ることだから。…これが私を助けてくれた両親にできる精一杯の恩返しだと思うから。」

昴「麗奈。…昇俺があいつらと話を付けるよ。総長一人でくること、麗奈ん家の近くの公園であうことこれを条件にね。麗奈と会うのはむこうとしても悪いことじゃないと思うから食いつくと思う。」

昇「でももしものことがあったら?」

昴「俺らは麗奈の部屋から見張っとけはいいんじゃね?きっと車でくるだろうから車のナンバーはハッキングしとくよ」

昇「……わかった。麗奈の服には一応GPSをつけとこう。また詳しい事が決まったら連絡するから。とりあえず今は体のことだけを考えろ。」

麗「わかった。無理なお願い言ってごめんね。このことは誰にも言わないで。」

昇「あぁ。わかったよ。」

昴「またくるから。しっかり休めよ。」


私は感謝の気持ちで一杯になった。
だからお別れは笑顔で言わなきゃ。


麗「ぅん、またね…!!」


こうして笑顔で別れを言い2人は病室を出ていった。ふと壁にかかっていた時計に目をやると6時を示していた。

私結構寝てたんだ。
休めっていわれても全く眠くないしなぁ。


ぁ、龍希の皆に迷惑かけたし手紙でも書こうかな。これから皆に会うことはなぃと思うし。ぅん、そうしよう。

そして私は1人1人に手紙を書いた。
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