確信犯



匠の、荒々しい動きと。


繊細な指遣いは。


真逆の場所から、私を責め立てる。






「…やっぱり、こうまでしないと崩れない。ホラ、美森…」






オマエ、すげーね


耳元で、匠が囁く。






逃げても追いかけてくる唇を。


いっそのこと甘受したくなる。






かわすのは。


期待で胸が張り裂けそうなことを。


知られたくないから。






自分が満たされることより。


自分の手で、唇で。


相手が乱れていく姿が見たくて。






私達は。


また、競いあう。






「ヤボなヤツ」



瞳。唇。指先。


匠の全部が。


私を欲してくれてると伝わって。






錯覚で、潰れてしまいそうだった。


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