確信犯
ハッキリ言って。
ほぼ衰えていない整った容姿。
それでも、負ける気はしない。
「それほど大事なら、軟禁なさったらいかがでしょう」
海外や秘書課に追いやったりして。
跡継ぎ不合格の噂が立ってますよ。
「匠は、私の手のひらの上にいる」
毅然としたままの、不機嫌口調。
続きは…聞きたくないかも。
「ご安心下さい。私が退社する事、ご存知でしょう」
とびきりの笑顔で微笑んで。
目だけ爛々と見開いてみせた。
意表をつかれた様子で一瞬。
言葉に詰まった会長。
嘲るように一礼して立ち去る。
――でもね
決して逃がさないから