確信犯
接待同行からは退いていたし。
大体は、営業部が引き継いでいた。
イレギュラー、だったんだ。
奥平チーフも、私が匠に直接伝えたと考えていて。
総務課上層部の報連相を信じてた。
多忙な匠は。
私の退職後、一週間ほど気付かず。
事実を知ると。
私へ直接、連絡してきた。
怒る、でもなく。
責める、でもなく。
『そーいうヤツだった』と。
電話口で溜め息を吐いた。
そう
そういう奴、なのです
私の返しに笑いもしないで。
匠は。
『送別会』とだけ呟いた。