確信犯
着いた先は。
温泉地で。
匠に付いていくと、
宿のチェックイン。
「明日、休みだろ?」
外風呂のある部屋に入って、内装に目を見張っていると。
匠の声が、降ってきた。
そんなコトよりも。
「何の準備もしてきていません」
静けさに気圧された私の声。
高速に乗った時。
遠出だな、とは思ったけど。
――なんで、温泉
しかも、外風呂付き高級部屋って…
「用意、しておいた。確認しろよ」
大きなバッグのうちの一つを受け取って、開けてみれば。
洋服、下着、化粧品関係完備。
帰る、言い訳もさせてもらえない。