確信犯
向こう側の座卓から。
私の側に回った匠は。
シャツのボタンを2つ。
開け放っていて。
鎖骨も、首筋も艶かしく見える。
「いきなり大恋愛ができる、なんて思ってるワケじゃない。忘れられないデートがしたいだけだ」
私の横に屈んで。
覗き込むようにそう言うと。
艶然と、匠は笑った。
まるで。
『初めからやり直そう』
と言うような調子で。
「ある意味、都合が良くなった。せっかくだから、外風呂入ろうぜ」
ワンパクな子供みたいに。
つり上がる匠の唇。
呆気に取られて。
マイペース、ポジティブ等。
いろんな言葉が浮かんだ。