確信犯
今更、な質問。
これだ、というものがなくて。
感覚だろうとは思っていた。
数日後。
手の空いた政宗から返信が届く。
《思いもよらない、興味深い質問だった。こんな事しか言えないけど。
僕も教わっていない。多分、誰も教わらないんだよ。 政宗》
――『誰も教わらない』
漠然と分かっていても。
文字で見ると、緩い衝撃を受けた。
教わらなかったとしても。
これは幸せ。これは不幸せ。
人々は判断を下す。
――その基準は
何処にあるんだろう
八重の感覚は。
心許なくなっていた。