確信犯
注意深さを貫いてきた八重は。
もちろん、そんな心を覆う。
《居ますよ。何かを交わせるだけで、どうにかなってしまいそうな気持ちを抱きます。
楽しんで下さいね。 柿原八重》
この空間の中では。
負担を感じて欲しくないから。
八重は、言葉を選ぶ。
政宗からは、再びすぐに。
《ありがとう。楽しみが更に膨らんだ気がするよ。貴女の心が相手へ届くよう、願っています。 政宗》
そんな温かい心が、届けられた。
――想いが届く日は、こない
政宗への想いは、隠し続ける
届ける手段はあっても、
届けられなくて。
八重の心は、やるせなく痛んだ。