確信犯
頬が緩む私を見て。
会長は、訝しむ。
「それと今、何の関係がある?」
「…こちらをどうぞ」
私は。
もう一枚、鑑定書を取り出した。
「これは……」
鑑定書の名前を見て。
会長の手が、止まる。
それは。
前回、ホテルの部屋から。
私が最後にかけた、一本の電話で。
追加依頼した鑑定。
“白澤有雅
一ノ瀬美森
父子鑑定”
「どう、いう…事だ」
「ご覧の通りです」
姿カタチの良い初老の男が。
顔面蒼白。
威厳もへったくれもなくて。
狂暴な嬉しさが込み上げてくる。