確信犯
「は、あ――」
帰宅した部屋の中で。
壁に凭れる。
背中にあるのは。
先日入手した、街角のポスター。
大きな“政宗”に向き直ると。
頭を付けて、縋った。
――大好き
我慢していた想いが。
とめどなく、溢れる。
――政宗
素直な感情は。
ここでしか、出せなくて。
スイスから、帰国した政宗。
新たに作成したオルゴール盤。
ハンドベル。
パイプオルガンが、鳴り響く。
政宗のパフォーマンスは。
心が、洗われる。
――いつまでも
見ていたい
八重は願った。