確信犯
私は、歩み寄って。
見せつけるように子供を抱えた。
白澤有雅に。
気力も。
思考も。
何も持たせないタメに。
生後8ヶ月目の、男の子。
その姿はきっと。
――白澤有雅の、
記憶の糸口になる
入口近くの椅子に座って。
ソファーには後ろ向きで胸元をはだけると、授乳専用の下着を開いた。
この子は離乳食より授乳寄りで。
おとなしくて小さいけれど、健康。
母乳を適量飲ませると、もう既に眠りかけていて。
吐かないように手順を施す。
そのまま。
子供はベビーカーに寝かせて。
自分の衣服を直そうとした。