確信犯
『良いのよ、それで』
それは可憐な母の、口癖。
私のカラダに食らいつこうとしている男は、聖獣なんかじゃない。
壊れた、ただの――ケダモノだ
――私が、白澤有雅を壊した
そう感じたら。
『良いのよ、それで』
そんな母の声を、思い出していて。
私自身を。
正義だとか。
正当化しようとしている証。
私は、やっぱり。
愚かな男の血を引いていて。
ドコかでこんな末路を。
予感していた気さえする。
ケダモノに凌辱される、末路を。
――善悪なんてどうでもイイ
正義も不義も、どうでもイイんだ