確信犯
――ガタンッ!
ケダモノ以外。
静寂だった世界に何かが響いて。
音の正体を、ボンヤリ探す。
――ナンデ
ドウシテ
私に縋りついていたハズの、男。
白澤有雅が。
床に倒れ伏していて。
――持病とかあったっけ
黒い歴史が、更に黒々
そんなコトを思った。
けれど。
ショック死なんておあつらえむき。
そうも思えたから。
それ以外の感情は湧かなくて。
改めて、自分の衣服を整えた。
「アナタの大事な“白澤印刷”は、アナタの孫が貰い受けます」
倒れ伏した、白澤有雅に。
感慨なく呟いた。