確信犯
匠のマンションに着いて。
起きた子供を抱える。
普通に見ればきっと。
私の兄である匠は、子供の叔父で。
私の子供は、匠の甥で。
なんにもおかしくない。
知らせるつもりは、なかった。
白澤有雅以外、誰にも。
子供にも。
白澤有雅以外への覚悟がないなら。
怯えるくらいなら。
――初めから、やらなきゃイイ
昔は言葉にできなくて、悔やんだ。
今は言葉にして、苦しい。
正反対のコトなのに
同じか、それ以上に
キモチが落ちるのはどうしてだろう
沈黙にも反論にも罵りにも。
私に傷付く資格なんて、ない。