確信犯
聞きたいコトは、そんなコトじゃないハズなのに。
「『可哀想なヤツ』なんて言って悪かった。“可哀想”は見下す言葉だ」
匠は。
さっきから謝るだけ。
でも。
欲しい言葉も見当たらなくて。
所詮、そんな関係しか築けてない。
「寂しい時は、ちゃんと寂しがればいい。オマエ、寂しくなかった?」
諭されるような言葉でも。
やりたいコトをほぼ終えて、空っぽになってしまった私を――
埋めるコトはできない。
「仕事はできる。メシも食える。眠れる。でも、消えない。消せない」
なのに。
匠の声に、息が詰まる。