確信犯
「俺の周りはいつも霧がかかってた。周囲のヤツらが俺に接する時も、抜けた記憶も。その場しのぎのウソっぱちで隠されてばっかだった」
知りたくない。
そう願った匠の心が溢されるのに。
咎め立てる理由は、晒されてて。
「ホントのコトなんてどこにもなかった。でもオマエは、俺をただの普通の男として正面からバカにした」
――バカに、してないのに
「ホントになるか分からない約束を、オマエは口にしなかった。何もかもが不確かな世界で――それはとても、確かなコトに思えた」
ゆっくりと。
自分の心を見詰めて、匠は話す。
こんなコト。
するヒトじゃない。