確信犯
その日、初めて。
私に笑いかける匠が見えて。
「ドコまでも…間違ってたとしても。誰からも蔑まれたとしても。未来永劫、非難されても。俺だけは責めない。俺だけはオマエに賛同する」
不覚にも、
目の辺りが熱を持つ。
抱き寄せられて、
匠の声が直接、響いた。
「俺のモノになるのが気に食わないなら、俺をオマエにやるよ」
愛だとか。
恋だとか。
それは不確かなモノで。
けれど直接、カラダに響く言葉は。
とても温かくて。
何のてらいも気負いもなかった。
――『俺をオマエにやるよ』