確信犯
「俺たちは、さ。世の中に嫌悪とか、欠落した倫理観で不快を与えてしまう存在なだけだ。罪じゃない」
――『俺たち』
まるで。
自分も加担したように言う匠。
違う。
匠は、違う。
この子も違う。
この2人だけは。
私を責める理由を持ってる。
「私生児でも、ちゃんと母親の戸籍に入れてもらえてる。父親は空欄でも。存在するタメの愛情を、母親からしっかりもらったってコトだ」
この子もだろ?と問う匠の言葉に。
役所の手続きを思い出した。
私も匠も、母親の戸籍で。
その後は養父母の戸籍で。
この子も私達も、父親は空欄。
それは、私生児を指す。